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<Vol.2> 「パッピンス」
<Vol.1> 冬は湯(タン)! その1「サムゲタン」
<Vol.2> パッピンス
 今年の夏、韓国では10年ぶりの猛暑でした。だからと言う訳でなく、韓国の子供から大人まで夏によく食べるものが「パッピンス」。 
 「パッ」があずき、「ピンス」が氷水の意です。しかし日本で考える「氷あずき」とはちょっと違います。単にかき氷にあんこが載っているだけでなく、ソフトクリーム、練乳、フルーツ、白玉等がこれでもかといわんばかりにてんこもりです。チェーンの
ファーストフード店、コンビニ、その辺の食堂、その辺の屋台等、あらゆる所で食べることができますので、夏場に韓国においでの方は是非一度お試しください。
 ところで韓国の方と一緒に「パッピンス」を初めて食べた時、ちょっと驚いたことがあります。日本ではかき氷などは少しづつ崩しながら食べるというか、層状にして食べるように思うのです。ところが、韓国の方はおもむろに全体をよ〜くかき混ぜてしまうのです。よ〜く混ぜたパッピンスは全体が薄あずき色になって。。。私としては、ちょっとなんだか府に落ちないと言うか不思議な感じがしたのですが、どう思われますか?とは言え、さすが、ビビンパプ(=混ぜたご飯)、ビビンクッス(=混ぜた素麺)などを代表とする「全てよく混ぜるとおいしい」と言う国!と、妙に感心してしまいました。

ケンチキにもあります。

混ぜる前。
(2004.8.28)
<Vol.1> 冬は湯(タン)! その1「サムゲタン」
 日本では、冬は「鍋」ですね。あったかい鍋を皆でつついて日本酒等飲んで。。。あ〜、今すぐ食べたいです。
 で、韓国では「湯(タン)」です。暖まるし、身体に良いものがイロイロ入っているから、この時期食べるにはとっても良いそうです。色んな鍋がある様に色んな湯(タン)があります。カルビタン、ソルロンタン、コムタン、トガニタン、メウンタン、カムジャタン、そしてサムゲタン。他にもイロイロありますが、日本でもサムゲタンの名は良く聞きますね。かつての宮廷料理で、若鶏の腹にもち米、高麗人参、ナツメ、栗などを詰めじっくりと煮込んだものです。淡白な味ですが薬効性が高く、風邪引いたかなと思ったらサムゲタン!と言う人もいます。また、食欲が無い時でも無理なく食べられ、滋養に富んでいるので韓国では夏場にもよく食べるそうです。夏バテに効くとか。
 今日は釜山大学前駅(地下鉄1号線)近くの食堂で頂きました。サムゲタンは、直径約20cm程の熱々のトゥッペギ(器)でひとりひと鍋で供されます。キムチ、サラダ、ニラのヤムニョム和え、コチュ(青唐辛子)と生ニンニク等と薬酒がついて1人7000ウォン。(約700円、釜山大学駅前でのお値段)この辺りで普通に食べる食事はだいたい2,500ウォン〜3,000ウォンですので、ちょっと贅沢をしている感じがします。
 基本の味付けは淡白なので、好みで塩を入れ、ニラのヤムニョム和え等と一緒に食べます。鶏肉はスッカラク(スプーン)やチョッカラク(箸)でつつくとほろほろと身がほぐれます。詰めてあるもち米にスープがよくしみていて、いかにも身体に良さげな味わいです。コチュ、生ニンニクのぴりっとした辛みがまたよく合うんです。食べている内に身体がぽかぽかしてきます。軽い風邪等はホントにこれを食べるだけで治りそうです。一緒に頂く薬酒は高麗人参の香りがして、これまた身体がぽかぽかします。


ごく普通の食堂っぽい店です。
(2004.1.5)
追記:
 この夏韓国は10年ぶりの猛暑に見舞われています。日本では暑さを乗り切るため、うなぎをよく食べますが、韓国の人たちが好んで食べる料理は、まずこの「サムゲタン」。
 暑い夏に、『以熱治熱ー熱い物を食べて熱さをふきとばす』という言葉のように、夏ばてを予防する代表的な精進食として親しまれ、8月の伏日(ポッナル)という日によく食べ、その日には店に行列ができるほどです。特にこの夏は猛暑のため、連日サムゲタンを求めて列をなしているというニュースも流れていました。
(2004.8.31)